2020-09-08から1日間の記事一覧

回顧

酔った勢いで昔書いた散文をあげてみた。 恥ずかしいけれど、いざやってみればどこか清々しい。 あの頃わたしは確かに生きていた。 そして、未だ性懲りもなく生きている。 誰に嫌われようとも。 相も変わらず死にたいと思う。 相も変わらず死にたくないとも…

告白

地下の独房で目を覚ます 二日酔いの午後2時 格子の向こうの階段から 哀しい秋の光が遠く差し込んでくる 便器の前にひざまずいて 口の中に指を突っ込んでみても 出てくるのは後悔と呪詛ばかり そんな資格はないと とうの昔に気付いているのに 性懲りもなく 愛…

供養

歌は歌い飽きたし 酒は飲み尽くした 辛酸もたっぷり舐めたが 甘い汁も少しは吸えた そして充分に愛し それより少しだけ多く愛された 今日はとても天気がいいから 子供たちは外に飛び出すだろう 桜は春を予感して支度を始めるだろう そんな日だから どうしよ…

不実

静かなところに行きたい 樹々が風にざわめく音と 時折遠くで聞こえる飛行機の音 他には何も聞こえない そんな場所に行きたい 肉体も精神も 触れ合えば悲しく軋みを上げるばかり ゆるしの言葉でさえも僕を苛むから あなたにはただ隣にいて欲しい 言葉も交わさ…

むかしばなし

「真実」と書ける 「しんじつ」と口に出せる でもそれがなにか 知っているが理解はできない 言葉は世界を切り刻む だからできるだけ 木や石ころのように黙っているのがいい こころを殺したい時以外は

インターネット

誰も救ってあげられない自分を恨み、誰にも救って貰えない自分を恨む。 だからわたしは、自分以外の全てを愛せる。